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第1土曜特集 遺伝性神経・筋疾患――診療と研究の最前線
ミオパチー,筋ジストロフィーの病態・診断・治療法開発
ポンペ病の病態,診断,治療法の開発
Pathophysiology, diagnosis and development of therapy for Pompe disease
小林 博司
1
Hiroshi KOBAYASHI
1
1東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 遺伝子治療研究部
キーワード:
グリコーゲン
,
筋力低下
,
呼吸不全
,
酸性αグルコシダーゼ(GAA)
,
遺伝子治療
Keyword:
グリコーゲン
,
筋力低下
,
呼吸不全
,
酸性αグルコシダーゼ(GAA)
,
遺伝子治療
pp.1006-1012
発行日 2022年12月3日
Published Date 2022/12/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283101006
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ポンペ病(糖原病Ⅱ型)は,グリコーゲンの代謝不全で発症する糖原病Ⅰ~ⅩⅠ型のなかで唯一ライソゾーム病(LSD)に分類され,ライソゾームに局在する酵素(酸性αグルコシダーゼ:GAA)の機能不全が原因で,細胞内ライソゾームに基質であるグリコーゲンが分解されずに蓄積し,主に筋組織が破壊される疾患である.臨床病型として,全身骨格筋力低下によるフロッピーインファント,呼吸筋力低下,進行性肥大型心筋症を特徴とする乳児型(IOPD;古典型),骨格筋・呼吸筋力の低下を主体とする遅発型(LOPD)に分類される.2007年にGAAの遺伝子組換え酵素製剤マイオザイム®が承認され,乳児型の生命予後が劇的に改善したが,長期効果,機能予後には課題が残っており,新規酵素製剤,シャペロン製剤,遺伝子治療など新規の治療法も研究開発が進んでいる.
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