特集 小児科医が知っておくべき エピジェネティクスの基本知識
5.内分泌疾患
-――インプリンティングとSilver-Russell症候群について
緒方 勤
1
1浜松医療センター小児科
キーワード:
インプリンティング疾患
,
発症機序
,
Silver-Russell症候群
Keyword:
インプリンティング疾患
,
発症機序
,
Silver-Russell症候群
pp.471-479
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002568
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インプリンティングはゲノム配列の変化を伴うことなく生じる遺伝子発現抑制であり,その中核は,メチル化可変領域(differentially methylated region:DMR)の由来親特異的メチル化パターンである.インプリンティングは個体・胎盤の成長・発達に密接に関与し,DMRのメチル化異常およびその結果としてのインプリンティング遺伝子の発現異常は,先天異常症候群に属するインプリンティング疾患を招く.本稿では,インプリンティング遺伝子やインプリンティング疾患発症機序について概説し,その後,インプリンティング疾患の代表であるSilver-Russell症候群について述べる.この分野は近年大きく進展しており,Silver-Russell症候群について臨床診断基準が作成され,多くの遺伝学的機序が解明されてきている.
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