Japanese
English
症例報告
肩関節直立脱臼の2例
Luxatio Erecta of the Shoulder Joint : A Report of 2 Cases
柳浦 敬子
1
,
鍋島 祐次
1
,
安井 慎二
1
,
藤田 郁夫
1
,
藤井 英夫
1
Keiko Nagira
1
1姫路聖マリア病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, St. Mary's Hospital
キーワード:
shoulder joint
,
肩関節
,
luxatio erecta
,
直立脱臼
,
mechanism of injury
,
発症機序
Keyword:
shoulder joint
,
肩関節
,
luxatio erecta
,
直立脱臼
,
mechanism of injury
,
発症機序
pp.675-678
発行日 2001年5月25日
Published Date 2001/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903291
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抄録:稀な肩関節直立脱臼の2例を経験した.症例は63歳男性および68歳女性で2症例とも非常に類似した臨床像を呈していた.肩関節の外転強制にて発生し初診時,患側上肢は挙上位で固定されており,上腕骨頭は腋窩に触知された.疼痛とばね様抵抗のため上肢の下垂は不可能であった.神経血管損傷を疑わせる所見は認められなかった.X線像では上腕骨頭は関節窩下方に脱臼しており,大結節骨折を合併していた.全身麻酔下に徒手整復を施行したところ,脱臼は容易に整復された.
肩関節直立脱臼は稀な外傷であり,その発生頻度は全肩関節脱臼のうち約0.5%とされている.肩関節に過外転力が加わった時に発生し,前方脱臼とは病態が異なる.整復にはtraction-counter traction法が用いられ,再脱臼は稀で合併損傷の予後も良好である.
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