Japanese
English
症例報告
インターフェロンαによる皮膚潰瘍の1例
A case of cutaneous ulcerations caused by injection of interferon-α
渡辺 洋
1
,
菊地 克子
1
,
田上 八朗
1
,
佐々木 治
2
,
目黒 邦昭
2
Hiroshi WATANABE
1
,
Katsuko KIKUCHI
1
,
Hachiro TAGAMI
1
,
Osamu SASAKI
2
,
Kuniaki MEGURO
2
1東北大学医学部皮膚科学教室
2東北大学医学部血液内科
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
2Department of Hematology and Immunology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
インターフェロンα
,
皮膚潰瘍
,
発症機序
,
cold panniculitis
Keyword:
インターフェロンα
,
皮膚潰瘍
,
発症機序
,
cold panniculitis
pp.743-746
発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904063
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45歳,男性.慢性骨髄性白血病のためインターフェロンα(以下,IFN—α)の皮下注を4年前より繰り返していたところ,皮下注部位に一致して皮膚潰瘍の発生を何度も生じるようになった.MRIの所見などより保存的治療では治癒は困難と判断し,壊死層除去術,分層植皮術を施行した.機序としては,感染の関与,注射針による物理的損傷の蓄積,創傷治癒遅延/炎症プロセスの修飾などのIFN—αの直接の作用,添加物の作用,cold panniculitisの機序などが考えられた.このような副作用を防止するためには,確実に筋注を行うこと,注射部位をローテートすること,清潔操作に注意すること,室温に戻してから注射することなどが重要であると考えた.
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