特集 小児科医が知っておくべき エピジェネティクスの基本知識
6.腎泌尿器疾患
長野 智那
1
,
野津 寛大
1
1神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科
キーワード:
腎発生
,
急性腎障害
,
DOHaD
,
先天性腎尿路奇形
,
Alport症候群
Keyword:
腎発生
,
急性腎障害
,
DOHaD
,
先天性腎尿路奇形
,
Alport症候群
pp.480-491
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002569
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エピジェネティクスとは遺伝子配列の変化を伴わない遺伝子発現の制御の仕組みのことであり,細胞内のDNAやヒストンに可逆的な変化を与えることでクロマチン構造の変化や転写因子の結合調節を通じて遺伝子発現を制御する.エピジェネティクスを担う要素にはDNAメチル化,ヒストン修飾,ノンコーディングRNA(主にmiRNA)などが含まれる.腎泌尿器領域でもさまざまな病態とエピジェネティックな遺伝子制御機構が明らかとなりつつある.本稿では,腎発生,急性腎障害,DOHaD,先天性腎尿路奇形とエピゲノム調節のかかわりについて説明し,最後にAlport症候群に対するmiRNAをターゲットとした核酸医薬を紹介する.
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