診療
次世代シークエンスを活かした感染症診療
伊藤 嘉規
1
1日本大学医学部小児科学系小児科学分野(前・名古屋大学大学院医学系研究科小児科学)
キーワード:
次世代シークエンス
,
ロングリードシークエンス
,
メタゲノム解析
,
感染症診断
,
薬剤耐性
Keyword:
次世代シークエンス
,
ロングリードシークエンス
,
メタゲノム解析
,
感染症診断
,
薬剤耐性
pp.904-912
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002255
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重症感染症では,早期診断と適切な抗微生物薬の選択が予後を左右する.一方,急性脳炎・脳症,先天性感染症や免疫抑制状態の感染症において,急性期の病原微生物診断率は十分とはいえず,改善の余地がある.次世代シークエンス(NGS)は,一度のアッセイで,1,000万~10億程度の核酸断片配列情報を得ることができ,臨床検体中の微生物ゲノムを網羅的・定量的に解析できる利点を有する.マイクロバイオーム,薬剤耐性遺伝子情報,ウイルスの変異解析なども同時に解析可能である.NGSは技術的な進歩が大きく,病原微生物の早期診断が可能な解析手法も導入された.臨床応用に向けた研究が進んでおり,今後の臨床応用が大いに期待される.
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