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連載 医療DX――進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識・Vol.10
AIを用いた感染症診断の可能性
The future and possibility of AI-based diagnosis of infectious diseases
塩田 祥大
1
,
沖山 翔
1,2
Shodai SHIOTA
1
,
Sho OKIYAMA
1,2
1アイリス株式会社
2日本赤十字社医療センター救命救急センター
キーワード:
感染症診断
,
AI医療機器
,
新医療機器
,
身体診察AI
Keyword:
感染症診断
,
AI医療機器
,
新医療機器
,
身体診察AI
pp.609-615
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28408609
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◎AIを用いた新たな感染症診断が2022年12月より保険適用された.「nodoca」を用いたインフルエンザ感染症診断である.従来のAI医療機器は大病院や専門施設での導入が主であったが,nodocaは対象疾患がcommon diseaseであることから,クリニックを中心とした導入が進むと考えられる.nodocaの開発は,通常のAI医療機器とは異なり,学習データとなる咽頭画像自体のデータ化が必要であり,咽頭撮影専用カメラの開発が先立った.こうして開発されたnodocaは,視診・身体診察のAI化と考えることができる.身体診察は,検査と比較して患者侵襲度が最小限で医療費も安価であるメリットがあるが,その技術が属人的であるデメリットが存在する.個人間でばらつきのある身体診察こそがAIを用いた標準化の余地が大きく残る領域である.AIを用いた感染症診断によってPCRや培養検査等の従来型検査法が不要になるものではなく,メカニズム上の特性からAI検査法は患者の診断(治療,予防)に適し,従来型検査は疫学調査に適するという用途の違いが存在するため,長い目で見たときに使い分けがなされていくのではないかと考える.
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