特集 小児の腎疾患を見つめ直す――基礎と臨床
6.補体系と小児の腎疾患
川崎 幸彦
1
1福島県総合療育センター小児科
キーワード:
補体制御因子
,
SLE
,
MPGN
,
C3腎症
,
非典型的HUS
Keyword:
補体制御因子
,
SLE
,
MPGN
,
C3腎症
,
非典型的HUS
pp.617-623
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002189
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補体系は初期経路と後期経路に分けられる.初期経路は,古典的経路,レクチン経路,第2経路を有し,C3活性を経てさまざまな生物活性を有する分子を形成しつつ後期経路へ至る.補体系には,貪食細胞による異物の貪食と破壊,膜侵襲複合体形成による外来微生物の排除,自然免疫および獲得免疫の活性化,アポトーシス細胞の処理などの生理活性がある.従来から,これら補体機能の障害によりさまざまな腎疾患が発症することが知られている.本稿においては,ループス腎炎,膜性増殖性糸球体腎炎,C3腎症,非典型的溶血性尿毒症症候群,溶連菌感染後糸球体腎炎やIgA腎症の発症病態と補体機能異常との関連性について概説する.
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