Japanese
English
特集 小児臨床検査2024
Ⅸ.免疫学的検査
4.補体制御異常の検査―H因子,MCP(CD46),抗H因子抗体,C3腎炎因子,C1インヒビター
Complement regulators;complement factor H, membrane cofactor protein(CD46), anti-factor H antibody, C3 nephritic factor, C1 inhibitor
日髙 義彦
1
Yoshihiko Hidaka
1
1松本市立病院小児科
キーワード:
補体制御因子
,
非典型溶血性尿毒症症候群
,
C3腎症
,
遺伝性血管性浮腫
Keyword:
補体制御因子
,
非典型溶血性尿毒症症候群
,
C3腎症
,
遺伝性血管性浮腫
pp.285-288
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001936
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
補体は,微生物やアポトーシス細胞などの生体にとって不都合なものを排除し,生体の恒常性維持に重要な役割を担っている。補体機能は,C3やC4などの30種類以上のタンパク質のカスケード反応によって発揮されるが,その反応は古典経路,レクチン経路,第二経路とよばれる3つの活性化経路から始まる。補体の活性化を図1)に示す。古典経路は免疫複合体を,レクチン経路は微生物上の糖鎖をそれぞれ反応の起点とするが,第二経路はC3が加水分解されることにより活性化されるという特徴を有する。すなわち,古典経路とレクチン経路は免疫複合体や微生物が存在しなければ活性化されないが,C3と水は常に体液中に存在するため,第二経路は持続的に活性化しているということになる(この持続的活性化は“tick over”とよばれる)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.