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特集 病理からせまる腎疾患の病因・病態解明
明らかになりつつある病態
補体異常と腎疾患
Development/progression of renal disease and disbalance of the complement system
水野 正司
1
MIZUNO Masashi
1
1名古屋大学大学院医学系研究科腎不全システム治療学寄附講座
キーワード:
補体
,
aHUS
,
C3腎症
Keyword:
補体
,
aHUS
,
C3腎症
pp.430-435
発行日 2024年9月25日
Published Date 2024/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001465
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はじめに
腎疾患への補体のかかわりは意外に古く,1900年代初頭に遡る。溶連菌感染に続く急性腎炎で血中の補体成分であるC3,C4の低下の報告が最初である。その後,1900年半ばに膜性増殖性糸球体腎炎(membranoproliferative glomerulonephritis:MPGN)の糸球体への補体成分の沈着,血中のC3,C4,CH50の値が低下したという報告がされた。そして,Dahaらにより,血中に補体を低下させる物質として,nephritic factorが考えられ,実際に自己抗体の1つであることが証明された1)。
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