Japanese
English
特集 補体と腎疾患:温故知新
補体系の基本的な理解のために
補体経路と制御機構
Complement activation pathways and their regulatory mechanisms
井上 徳光
1
INOUE Norimitsu
1
1和歌山県立医科大学分子遺伝学講座
キーワード:
古典経路
,
レクチン経路
,
第二経路
,
終末経路
,
補体制御因子
Keyword:
古典経路
,
レクチン経路
,
第二経路
,
終末経路
,
補体制御因子
pp.21-27
発行日 2024年7月25日
Published Date 2024/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001386
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
補体システムは,自然免疫系の1つで,プロテアーゼによる補体成分の分解によって活性化し,そのカスケード反応は進行する。補体の活性化は,外来微生物に反応するだけでなく,生体内でできたさまざまな不要物にも迅速に応答し,それらを除去する働きをもつ。しかし,自然免疫系である補体は,外来微生物や生体内の不要物と自己の細胞を正しく認識し区別し,外来微生物の侵入がない時や自己細胞上では,補体の活性化が惹起されないように,巧みな制御機構が備わっている。最近,補体の活性化と制御のバランスが崩れて発症する疾患が注目されている1)。ここでは,補体の基本的な活性化のカスケード機構とそれらの制御機構を紹介する2,3)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.