特集 ウイルス感染とその合併症――「風邪は万病のもと」を考える
1.悪性腫瘍・白血病
-――小児のB型肝炎・C型肝炎ウイルス感染症
川田 潤一
1
1名古屋大学医学部附属病院小児科
キーワード:
ウイルス発がん
,
B型肝炎ウイルス
,
C型肝炎ウイルス
,
母子感染
Keyword:
ウイルス発がん
,
B型肝炎ウイルス
,
C型肝炎ウイルス
,
母子感染
pp.1427-1434
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001964
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肝癌の原因となるB型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)は全世界的に感染者数は多いが,感染予防や治療による制圧が期待されている.日本でのHBV感染者数は母子感染防止事業により大きく減少したが,HBVワクチンの定期接種化により,さらなる感染者数の減少が期待されている.一方で,小児におけるHCV感染のほとんどは母子感染であり,母体の高HCV RNA量などがリスク因子として知られている.成人では慢性C型肝炎の治療に直接作用型抗ウイルス薬が広く用いられるようになり,非常に高い有効性が示されてきた.2019年には12歳以上の小児慢性C型肝炎に対して直接作用型抗ウイルス薬が承認され,今後の動向が注目されている.
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