特集 感染症と医療安全
4.感染症別の対策(2)肝炎ウイルス
洞 和彦
1
1 JA長野厚生連北信総合病院腎・透析センター
キーワード:
B型肝炎ウイルス
,
C型肝炎ウイルス
,
感染対策
,
HBワクチン
,
直接作用型経口抗ウイルス薬
Keyword:
B型肝炎ウイルス
,
C型肝炎ウイルス
,
感染対策
,
HBワクチン
,
直接作用型経口抗ウイルス薬
pp.140-145
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001617
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2018年のわが国の透析患者のHBs抗原陽性率は1.38%,HCV抗体陽性率は4.7%と以前に比べ大幅に減少しているが,非透析患者の陽性率に比較し高率である.HBV,HCVの持続感染は,患者の生命予後の悪化とともに,透析施設での医療安全対策上,問題となる.標準的な感染予防に加え,透析施設独自の感染対策が必要となる.HBVに感染すると完全排除は困難なため,感染予防のためHBs抗体価の低いHBV非感染の患者やスタッフには,HBワクチンをあらかじめ接種しておく必要がある.HCV感染患者に対し,直接作用型経口抗ウイルス薬(DAA)は,年齢やgenotypeに関係なく,HCVの排除を可能とする.DAA治療により透析患者の生命予後の改善と透析施設での感染源対策に期待がもてる.
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