綜説
血友病と移行期医療
長江 千愛
1
1聖マリアンナ医科大学小児科
キーワード:
血友病
,
移行期医療
,
包括医療
,
血友病診療連携委員会
,
血友病診療拠点病院
Keyword:
血友病
,
移行期医療
,
包括医療
,
血友病診療連携委員会
,
血友病診療拠点病院
pp.949-955
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001843
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血友病は先天性血液凝固異常症のなかで最多のX連鎖劣性遺伝の出血性疾患であり,幼少期より重度の出血症状を反復する.乳幼児期に診断され,治療が継続して行われるために小児科医と患者,家族との間に強い信頼関係が構築されていることが多く,成人年齢に達した際の内科への移行に難渋することは少なくない.患者の詳細な診療情報や社会的な問題点などを確実に申し送り,治療方針が変わることのないように心がけ,患者の不安を軽減する必要がある.日本血栓止血学会は2018年に血友病診療連携委員会を立ち上げ,日本の各ブロックに1か所以上血友病専門医が常勤しかつ包括的ケアを提供できる血友病診療拠点病院を認定した.今後スムーズな移行期医療のためにうまく活用していきたい.
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