Japanese
English
論述
血友病患者における骨粗鬆症
Osteoporosis in Haemophilia
竹谷 英之
1
,
阿部 純久
1
,
馬場 久敏
2
,
河﨑 則之
1
Hideyuki Takedani
1
1国立療養所福井病院整形外科
2福井医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, National Sanatorium Fukui Hospital
キーワード:
haemophilia
,
血友病
,
osteoporosis
,
骨粗鬆症
Keyword:
haemophilia
,
血友病
,
osteoporosis
,
骨粗鬆症
pp.1259-1262
発行日 2000年10月25日
Published Date 2000/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903112
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:血友病では廃用性骨粗鬆症が報告されているが,実際にBMD(Bone mineral density)を計測した報告は少ない.今回,腰椎部でのBMDを計測し検討したので報告する.15例21検体を対象にBMD,X線にて下肢関節の状態,歩行能力を評価した.血友病Aは14例,血友病Bは1例で,全例凝固因子活性1%未満の重症例であった.凝固因子阻害物質を有するインヒビター例は2例あった.止血管理が難しく活動が制限されるインヒビター例で腰椎BMDは低い値を示した.腰椎BMDと下肢関節症の程度を比較すると,杖歩行をしていても関節症が重症で活動性の低い例や,関節内出血が重度で荷重ができなかったため関節破壊を起こさなかった車椅子移動例ではBMDは小さかった.血友病性関節症の骨粗鬆症の原因として廃用性の骨萎縮が考えられたが,慢性関節リウマチや関節破壊により見られる傍関節性の骨萎縮について今後検討する必要があると考えている.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.