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慢性腎不全症例におけるカルニチン代謝
鈴木 清高
1
1独立行政法人国立病院機構豊橋医療センター小児科
キーワード:
慢性腎不全
,
カルニチン
,
血清アシルカルニチン濃度/血清遊離カルニチン濃度比
,
トランスポーター
,
OCTN2
Keyword:
慢性腎不全
,
カルニチン
,
血清アシルカルニチン濃度/血清遊離カルニチン濃度比
,
トランスポーター
,
OCTN2
pp.597-602
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001756
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慢性腎不全症例は,OCTN2が適切に作用する二次性カルニチン欠乏に該当する.血液透析を行う31例において,カルニチン未投与の時点の29例の血清アシルカルニチン濃度(AC)/血清遊離カルニチン濃度(FC)比の平均は0.631,カルニチンを投与した2例のAC/FC比は0.620(153.3μmol/L/247.2μmol/L)と0.594(94.0μmol/L/158.3μmol/L)で,いずれも0.4を上回っていたとの既報がある.慢性腎不全症例では,カルニチンの内服を行っていても,細胞内でアシルカルニチンが増加し,遊離カルニチンの低下がみられるため,腎臓におけるカルニチンの再吸収が亢進し,FCは上昇するが,AC/FC比には変化がみられず,細胞内の相対的なカルニチン欠乏は継続している可能性があると考えた.
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