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連載 いま知っておきたい最新の臨床検査−身近な疾患を先端技術で診断・Vol.6
カルニチンの作用および欠乏症
-――カルニチン2分画検査の解釈
Role of carnitine and carnitine deficiency
――Interpretation of carnitine fractionation
林野 翔
1
,
菅野 義彦
1
Sho RINNO
1
,
Yoshihiko KANNO
1
1東京医科大学病院腎臓内科
キーワード:
カルニチン
,
脂肪酸代謝
,
カルニチン2分画検査
Keyword:
カルニチン
,
脂肪酸代謝
,
カルニチン2分画検査
pp.563-568
発行日 2021年5月15日
Published Date 2021/5/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27707563
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◎カルニチンは脂肪酸代謝に関わり,生体内のエネルギー産生において重要な役割を果たしている.カルニチン欠乏は高齢者や栄養障害のみでなく,腎不全,肝不全,神経筋疾患,薬剤性などさまざまな要因で生じるが,非特異的な症状が多く,見逃されていることも多い.カルニチン欠乏を疑うべき状況およびカルニチン測定について解説を行う.カルニチン測定に関しては,従来は新生児マススクリーニングの一貫としてカルニチンプロフィール分析が行われているが,2018年にカルニチン2分画検査が保険適用となった.カルニチン2分画検査では,遊離カルニチン,アシルカルニチンの測定結果をもとに,カルニチン欠乏の有無やカルニチン欠乏のリスクが高い状態であるかを判定し,補充を検討する必要がある.2つの測定法の違い,ならびにカルニチン2分画検査結果の解釈についてもあわせて解説する.
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