症例
蜂窩織炎を伴うリンパ節腫脹が診断に有用であった不全型川崎病の1例
川村 葵
1
,
木原 沙紀
1
,
榎本 真由子
1
,
水野 洋介
1
,
横田 知之
1
,
牟禮 岳男
1
,
西野 昌光
1
,
吉井 勝彦
1
1社会医療法人愛仁会千船病院小児科
キーワード:
川崎病
,
リンパ節
,
蜂窩織炎
Keyword:
川崎病
,
リンパ節
,
蜂窩織炎
pp.603-607
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001757
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川崎病は全身の血管炎であり多様な症状を呈する.主要症状の1つである非化膿性頸部リンパ節腫脹は,出現率は65%と他の症状にくらべ出現率は低いものの,3歳以上では約90%にみられ初発症状になることも多いとされる.川崎病の頸部リンパ節腫脹は,一般的に疼痛は強いが病初期は発赤や熱感はほとんど伴わないとされ,化膿性リンパ節炎との鑑別点の1つとされているが,頸部リンパ節腫脹に発赤や熱感を伴ったため,当初化膿性リンパ節炎との鑑別に難渋した症例も報告されている1).また診断基準でも他部位のリンパ節腫脹は主要症状とは認められていないが,非典型例として,鼠径部や腋窩部などのリンパ節腫脹を初発症状とした川崎病症例も報告されている2)〜6).
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