症例
カルバマゼピンとエリスロマイシンの内服併用後に低血糖がみられた重症心身障害症例における血清アシルカルニチン濃度/血清遊離カルニチン濃度比の一過性上昇
鈴木 清高
1
1国立病院機構豊橋医療センター小児科
キーワード:
カルバマゼピン
,
エリスロマイシン
,
重症心身障害
,
低血糖
,
カルニチン
Keyword:
カルバマゼピン
,
エリスロマイシン
,
重症心身障害
,
低血糖
,
カルニチン
pp.549-554
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002165
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重症心身障害児者では,合併症のなかでも肺炎などの呼吸器系合併症が多くみられ,死亡原因の半数以上が呼吸器疾患によるため,呼吸管理や,慢性呼吸器感染症などの呼吸器系合併症への対応はきわめて重要である1).エリスロマイシンなど14員環マクロライド系抗菌薬は,本来の抗菌作用とは別に気道分泌抑制作用や抗炎症作用などが解明され,1980年代には少量マクロライド療法として,エリスロマイシンの少量長期投与によるびまん性汎細気管支炎への有効性が報告され,以後,下気道に生じた慢性炎症,感染性呼吸器疾患の治療薬としての有効性が確認されている1).今回,カルバマゼピン(CBZ)などを内服する重症心身障害症例において,下気道感染が繰り返しみられたため,エリスロマイシンを内服併用したところ,低血糖がみられた.低血糖は,カルニチン欠乏が疑われる臨床症状の1つに挙げられている2)ことから,本症例における低血糖の背景について考察した.
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