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特集 腎不全合併症に関する最近の進歩
慢性腎不全 透析患者と悪性腫瘍
Cancer in patients on chronic dialysis
根木 茂雄
1
NEGI Shigeo
1
1良秀会藤井病院腎臓内科
キーワード:
慢性腎不全
,
透析
,
悪性腫瘍
Keyword:
慢性腎不全
,
透析
,
悪性腫瘍
pp.636-639
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001316
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はじめに
日本透析医学会統計調査によると,日本の透析患者数は年々増加の一途をたどっていたが,2022年末において347,474人とはじめて減少に転じた(前年より2,226人の減少)1)。また,透析患者の死因はこれまでは心不全が最も多かったが,2022年末の調査では感染症が1位(22.6%)となり,次いで心不全(21.0%),悪性腫瘍(7.6%),悪液質/尿毒症/老衰(7.1%),脳血管障害(5.4%),心筋梗塞(3.3%)であった1)。一方,厚生労働省2022年人口動態統計2)によれば,一般人口においては死因の第1位は悪性新生物(24.6%),第2位が心疾患(14.8%),第3位が老衰(11.4%),第4位が脳血管障害(6.8%),第5位が肺炎(4.7%)と,透析患者の死因とは異なる(表)。一般人口に比し,透析患者では悪性腫瘍の発症率は高いといわれているが,大規模な報告はほとんどなく,その実態は不明である。本稿では,透析患者の悪性腫瘍に関して,罹患率,好発部位,発症(診断)時期,好発年齢・性差などについて概説する。
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