Japanese
English
臨床研究
縦隔腫瘍に対する外科的生検
Surgical biopsy for mediastinal tumors
櫻井 裕幸
1
,
宮下 義啓
2
Hiroyuki SAKURAI
1
1山梨県立中央病院外科(呼吸器)
2山梨県立中央病院呼吸器内科
キーワード:
縦隔腫瘍
,
外科的生検
,
確定診断
,
悪性リンパ腫
Keyword:
縦隔腫瘍
,
外科的生検
,
確定診断
,
悪性リンパ腫
pp.1587-1591
発行日 2007年11月20日
Published Date 2007/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101948
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
日常臨床において縦隔腫瘍に遭遇した際,どのような診断的アプローチが必要であるかをまず考えねばならない1).年齢や性別などの臨床情報やCTなどの非侵襲的な画像所見によって,ある程度診断することが可能な場合もあるが2),確定診断には病理学的裏づけが必要となる.その確定診断を得るための生検方法には針生検や手術的生検などによる腫瘍切開生検法や,診断・治療を兼ねて外科的に腫瘍を摘出する方法がある.境界明瞭な非浸潤性の腫瘍であれば,アプローチとして事前の生検なしに診断と治療を兼ねて手術的に切除する治療方針を立てることも可能であるが,浸潤性に発育する腫瘍に関しては,手術的切除にも過大な侵襲(大血管などの合併切除など)を要する可能性がある.また,確定診断によっては外科的切除の適応にならない疾患も想定しなくてはならず,事前の確定診断が必須である.
今回,われわれが経験した縦隔腫瘍に対すして手術的アプローチ(生検または摘出)を行った症例を調査し,縦隔腫瘍に対する外科的生検の適応に関して臨床病理学的に検討した.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.