増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
糖質および関連物質
乳酸
池澤 嘉弘
1
,
山谷 恵一
1
,
佐々木 英夫
1
1山形大学医学部第3内科
pp.158-160
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909790
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検査の目的・意義
乳酸はピルビン酸と密接に関係しており,嫌気的解糖の終末代謝産物である.肝や腎でTCA回路や糖新生の基質となっている.乳酸は血中に一価の陰イオン有機酸として存在し,酸塩基平衡に重要である.一方,ピルビン酸は糖,アミノ酸,脂肪酸代謝すべてに関与している.食事摂取,組織の酸素分圧,関連する代謝過程の酵素活性に影響され,組織の酸素分圧の状態,酵素活性の低下の有無などがわかる.
酸塩基平衡の異常,anion gapの増加を伴うアシドーシスや急性循環不全が疑われるとき,血中乳酸値を測定する.また,臨床上は乳酸アシドーシス,ミトコンドリア脳筋症,糖原病,Leigh脳症,各種酵素欠損症などの診断に用いられる.
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