特集 小児医療における診断・治療の進歩2018
Ⅱ.治療技術
13.小児に対するファーマコゲノミクス検査
宮地 勇人
1
1東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学
キーワード:
ファーマコゲノミクス検査
,
個別化医療
,
小児がん
,
遺伝学的検査
,
薬物代謝
Keyword:
ファーマコゲノミクス検査
,
個別化医療
,
小児がん
,
遺伝学的検査
,
薬物代謝
pp.1713-1718
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000665
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ファーマコゲノミクス検査は,生体内薬物代謝や治療反応性の評価の指標となり,個別化医療に向けて,研究から臨床応用への展開が著しい.しかしながら,小児での臨床利用は浸透が遅い.その背景には小児特有のさまざまな課題がある.小児の発達プロセスにおいて,薬物変換にかかわる主要な臓器の成熟および薬物代謝酵素の遺伝子発現は大きく変化する.エビデンス作成のための臨床研究の難しさの背景として,倫理的な課題や低い疾患発生頻度に起因する臨床研究参加者数の少なさなどがある.エビデンス蓄積とそれに基づくガイドライン,利用しやすい検査システムと標準化,情報管理,利用者の理解などの環境整備により,適正利用と普及による良質な個別化医療の推進が期待される.
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