特集 溶連菌感染症を見直す
1.わが国における溶連菌感染症の疫学
西 順一郎
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科微生物学分野
キーワード:
溶血性レンサ球菌
,
化膿レンサ球菌
,
B群レンサ球菌
,
Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis
,
疫学
Keyword:
溶血性レンサ球菌
,
化膿レンサ球菌
,
B群レンサ球菌
,
Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis
,
疫学
pp.1501-1510
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000624
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感染症発生動向調査でA群レンサ球菌咽頭炎と劇症型溶血性レンサ球菌感染症はいずれも増加傾向がみられている.前者は幼児・学童での流行,後者は高齢者のS. dysgalactiae subsp. equisimilisによる侵襲性感染症の増加を背景としている.小児の侵襲性B群レンサ球菌感染症の罹患率には著変はないが,致命率は4%台と高く,新生児・乳児で最も重要な侵襲性感染症である.劇症型の基準を満たさない侵襲性溶血性レンサ球菌感染症も多く,全数サーベイランスの検討が必要である.その他,化膿レンサ球菌による膿痂疹・蜂巣炎,SDSEによる咽頭・扁桃炎を含めると,溶血性レンサ球菌感染症の疾病負担はきわめて大きい.
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