特集 子どもの皮膚診療を極めるために
Ⅱ 皮膚症状が診断に重要な全身性疾患
溶連菌感染症
五十嵐 成
1
1埼玉県立小児小児医療センター小児救命救急センター
pp.175-181
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000972
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診療のポイント
■溶連菌感染症としていわゆるA群溶血性レンサ球菌〔Streptococcus pyogenes(GroupA Streptococcus:GAS)〕による感染症を解説する.
■小児においては咽頭炎の起因菌としてしばしばみられ,抗菌薬加療の適応のある数少ない咽頭炎の起因菌と考えてよい.
■伝染性膿痂疹,丹毒,蜂窩織炎といった一般日常診療で遭遇する多くの皮膚疾患の起因菌となる.
■壊死性筋膜炎やtoxic shock syndrome(TSS)といった壊死性軟部組織感染症(NSTI)と総称される致死率の高い疾患の起因菌でもあり,疑われる場合にはsepsisと認識し全身管理を開始する.外科的デブリードマンが救命の鍵となるので,積極的に疑いそのタイミングを逃さないために各科と連携することが大切である.
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