綜説
B群レンサ球菌感染症の疫学と臨床
松原 康策
1
1神戸市立西神戸医療センター小児科
キーワード:
B群レンサ球菌
,
疫学
,
ワクチン
,
予後
,
血清型
Keyword:
B群レンサ球菌
,
疫学
,
ワクチン
,
予後
,
血清型
pp.375-381
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000820
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わが国のB群レンサ球菌感染症の詳細な疫学は,2010年代になってようやく判明してきた.2011~2015年全国調査によると発症頻度は1,000出生児あたり,早発型0.09,遅発型0.12,超遅発型0.01で,欧米諸国と比較して低頻度であった.死亡率は早発型,遅発型ともに4%台に改善した.髄膜炎では約30%に後遺症を遺した.感染株の血清型はⅢ,Ⅰa,Ⅰbの順に多くこの3種で90%以上を占めた.再感染(~3%)や双胎両児の発症も報告された.保菌妊婦の分娩時抗菌薬投与による早発型感染症予防法が推奨されているが,順守率が十分でない可能性が示唆された.本稿では早発型・遅発型をともに予防する目的の,妊婦ワクチンの開発状況を概説する.
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