特集 感染症迅速診断キットを見直す―その有用性と限界
A 群レンサ球菌
西 順一郎
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科微生物学分野
キーワード:
A群レンサ球菌
,
化膿レンサ球菌
,
咽頭・扁桃炎
,
無症状保菌者
,
咽頭培養
Keyword:
A群レンサ球菌
,
化膿レンサ球菌
,
咽頭・扁桃炎
,
無症状保菌者
,
咽頭培養
pp.1641-1647
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000267
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A 群レンサ球菌迅速診断キットは,感度90%以上,特異度95%以上と優れており,本菌による咽頭・扁桃炎の診断に有用である.咽頭痛と発熱で発症し,咽頭・扁桃に発赤や浸出物がみられる場合は検査のよい適応となり,陽性の場合はアモキシシリンを投与する.ただし,無症候性保菌者が存在するため,迅速検査陽性だけでは本菌が原因菌であるとは限らず,検査結果の解釈には臨床症状や咽頭所見の注意深い観察が重要である.とくに,鼻汁,咳嗽,嗄声,結膜炎がみられる場合や3 歳未満児の咽頭・扁桃炎では本菌が原因である可能性は低く,原則として迅速検査は行わないことが推奨されている.
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