社会小児科学
少子高齢化社会におけるB群レンサ球菌感染症の本質的変化
諸角 美由紀
1
1慶應義塾大学医学部感染症学教室
キーワード:
B群レンサ球菌
,
莢膜型
,
Multilocus Sequence Typing解析
Keyword:
B群レンサ球菌
,
莢膜型
,
Multilocus Sequence Typing解析
pp.107-114
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000319
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B群レンサ球菌(GBS)は,本来ヒトの腸管や腟内の常在細菌であるが,ときに新生児や高齢者に化膿性髄膜炎や敗血症等の重篤な感染症を惹起する.新生児の侵襲性GBS感染症は予後不良となりやすい感染症の一つであるが,近年,生後1週間以降に発症する遅発型感染が増加傾向にあるとされる.一方,成人においても基礎疾患を有する高齢者の増加に伴い,GBS感染症が増加してきている.本菌における病原因子としてもっとも重要なのは,菌体表面の莢膜であるが,新生児由来株と成人由来株ではその莢膜型,薬剤感受性成績,MLST解析結果は,著しく異なっている.本稿では,GBS感染症の特徴を両者の成績を比較しながら述べたい.
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