綜説
発展途上国の小児下痢症
山城 哲
1
,
岩下 華子
1
1琉球大学大学院医学研究科細菌学講座
キーワード:
小児下痢症
,
発展途上国
,
下痢起炎微生物
,
GEMS
,
症例対象研究
Keyword:
小児下痢症
,
発展途上国
,
下痢起炎微生物
,
GEMS
,
症例対象研究
pp.1303-1307
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000571
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下痢症は世界全体でみた場合,5歳未満死亡原因の第2位を占める重要な疾患である.近年,多施設で同時に大規模な前向きの小児下痢症症例―対象研究が実施されている.また,下痢原性微生物の検出法としてリアルタイムPCR法が導入され,科学的な起炎微生物の推定に威力を発揮している.アジア,アフリカ地域における調査では,小児下痢症の約89%の起炎微生物が推定され,その起炎微生物として,赤痢菌または腸管侵入性大腸菌(EIEC),ロタウイルス,アデノウイルス,耐熱性毒素産生性腸管毒素原性大腸菌(ST-ETEC),クリプトスポリジウム,カンピロバクターが上位6下痢原性微生物群であるとされ全体の77.8%を占めた.
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