とびら
発展途上国に対するリハビリテーション技術援助
加倉井 周一
1
1東京都補装具研究所
pp.295
発行日 1982年5月15日
Published Date 1982/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102628
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国際障害者年(IYDP)を記念して昨年中に国の内外でさまざまな行事が催されたが,その一環として東京の池袋でリハビリテーション国際交流セミナーが昨年10月15―17日に開かれ,盛況であった.このセミナーは総会の他に3つの部会が並行してもたれたが,そのうち第3部会は「アジア義肢・装具セミナー」として,ビルマ・香港・インド・インドネシア・韓国・マレーシア・フィリピン・台湾・シンガポール・タイの10カ国の代表に加えて国際義肢装具連盟(I.S.P.O.)会長のA. Staros氏(アメリカ)もわざわざ出席され,①各国の義肢・装具の実状に関する報告,②各国の生活様式にあった義肢・装具,③義肢・装具に関与する専門職種(医師・製作技術者)の教育,④発展途上国における義肢・装具支給サービス,⑤アジア諸国の今後の義肢・装具の情報交換の5つのテーマについて3日間に亘り活発な討議が行われた.東南アジアにおけるこの種の情報交換が行われたのははじめての機会であり,参加者に大きな感銘と共感を支えた.第3部会の報告書(英文)は部会参加者のほか各国へ送られた.あらためてこの報告書を読み直してみると,東南アジア諸国が日本に期待する役割―たとえば技術者の養成など―の大きさにひしひしと身をうたれる思いがするのは筆者だけであろうか?
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