特集 クリニックにおける乳幼児喘息のプライマリ・ケア
7.乳幼児喘息と感染のコントロール
黒木 春郎
1
1外房こどもクリニック
キーワード:
乳幼児喘息
,
表現型
,
気道感染
,
易感冒
,
マイクロバイオーム
Keyword:
乳幼児喘息
,
表現型
,
気道感染
,
易感冒
,
マイクロバイオーム
pp.1295-1302
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000570
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乳幼児喘息はその病態の多様性から定義自体に議論も多い.年長児,成人の喘息との相違もある.いくつかの病型分類phenotypeが提案されているが,乳幼児喘息の病態への関与が気道感染かアレルギーかによって,大きく分けて考えられる.病態の反映として,治療への反応性が挙げられる.各々ICS,LTRAによる治療が有効である.気道感染の制御には,ウイルス感染にはLTRAが有効な場合もあり,細菌感染には洗浄痰培養による知見の蓄積が意義深い.乳幼児喘息の経時的変遷にはreactive airway diseases(RAD)という概念が鍵の一つである.近年,肺のマイクロバイオームと喘息の関与も研究されている.最新の知見が乳幼児喘息の病態解明,感染制御に役立つ日も近いであろう.
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