今月の主題 苦手感染症の克服
輸入感染症
途上国帰りの下痢
倉井 華子
1
1横浜市立市民病院感染症科
pp.628-631
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103866
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ポイント
●途上国帰りの下痢起因菌で頻度が高いのは,カンピロバクター,病原性大腸菌,赤痢菌,腸チフス・パラチフスであった.
●細菌性以外では,ランブル鞭毛虫やクリプトスポリジウムなどの寄生虫,ノロウイルス,偽膜性腸炎,薬剤性腸炎や潰瘍性大腸炎などもみられる.
●マラリアも下痢を起こすことがあり,見逃してはならない.
●便培養に加え,寄生虫検査,血液培養,CD毒素なども症例に応じ追加する.
●治療薬はキノロン製剤が一般的であるが,カンピロバクターや腸チフス・パラチフスにおいてはキノロン低感受性菌が増加しており,注意が必要である.
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