臨床
救命救急センターに搬送された頚椎後縦靱帯骨化症を合併した非骨傷性頚髄損傷の検討
松岡 佑嗣
1
,
遠藤 健司
1
,
鈴木 秀和
1
,
西村 浩輔
1
,
堀江 真司
1
,
山本 謙吾
1
1東京医科大学,整形外科分野
キーワード:
Cervical spinal cord injury without bone injury
,
OPLL
,
Prevention
Keyword:
Cervical spinal cord injury without bone injury
,
OPLL
,
Prevention
pp.819-821
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/seJ.0000000073
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頚椎後縦靱帯骨化症(OPLL)は,狭窄が高度であっても臨床症状に乏しく発見が遅れ軽微な外傷によって歩行困難となることも多い。当院救命救急センターに搬送された頚髄損傷81例(女性16 例,男性65 例,平均年齢56±19.2歳)のうち,非骨傷性頚髄損傷症例58例を,OPLL 群,非OPLL 群に分類し,受傷機転,麻痺の程度,臨床経過,受傷前の受診の有無について比較検討した。OPLL 群は11 例で,麻痺が重篤(Frankel A,B,C)であったものは8 例(72.7%)であった。そのうち3 例(37.5%)は退院時歩行可能となったが,5 例は歩行に至らなかった(死亡2 例,四肢麻痺3 例)。非骨傷性頚髄損傷症例のうち19.0%でOPLL を合併し,そのうち45.5%の症例の予後は不良であった。OPLL の存在を受傷前に知ることで,対処すべき方法を検討するべきである。
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