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特集 脊柱靱帯骨化症研究の進歩
Ⅴ.術後評価
8.頚椎後縦靱帯骨化症に対する椎弓形成術後後弯発生と脊椎矢状面アライメント
Postoperative cervical kyphosis after extensive laminoplasty in patients with ossification of the posterior longitudinal ligament
関 健
1
,
遠藤 健司
1
,
松岡 佑嗣
1
,
西村 浩輔
1
,
高松 太一郎
1
,
山本 謙吾
1
T. Seki
1
,
K. Endo
1
,
Y. Matsuoka
1
,
H. Nishimura
1
,
T. Takamatsu
1
,
K. Yamamoto
1
1東京医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Tokyo Medical University, Tokyo
キーワード:
OPLL
,
global sagittal spinal alighment
,
cervical kyphosis
,
laminoplasty
Keyword:
OPLL
,
global sagittal spinal alighment
,
cervical kyphosis
,
laminoplasty
pp.655-659
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_655
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は じ め に
頚髄症に対する椎弓形成術は,全脊椎矢状面アライメント不良例では,術後臨床成績が低下すること1),術前に後弯がなくとも頚椎矢状面バランスが不良である場合,術後に頚椎後弯が発生すること2)が報告されている.頚椎椎弓形成術後の頚椎後弯は,術前に前弯が保たれていても5~30%に発生すると報告され3~5),Leeらは70%で頚椎前弯が減少したと述べている6).頚椎後縦靱帯骨化症(OPLL)に対する椎弓形成術は後方除圧による間接除圧であるため,術後の頚椎後弯発生は除圧効果を著しく低下させることとなるが7),術前の頚椎矢状面形態,全脊椎矢状面アライメントの関係は不明な点が多い.頚椎OPLLでは胸椎以下の骨化性病変を合併することが多く,頚髄症とは頚椎矢状面アライメントと全脊椎矢状面アライメントのかかわりが異なることが報告されている8).
本研究の目的は,術前に後弯のない頚椎OPLL患者の術前全脊椎矢状面アライメントと頚椎局所形態,骨化形態を精査し,片開き式頚椎椎弓形成術(expansive laminoplasty:ELAP)術後後弯の発生リスクとなる頚椎形態と骨化形態について明らかにすることである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018