臨床
変形性膝関節症に対する膝関節伸展訓練に股関節内転および外転訓練を追加した場合の効果
戸田 佳孝
1
1戸田整形外科リウマチ科クリニック
キーワード:
Osteoarthritis
,
Knee
,
Abductor
Keyword:
Osteoarthritis
,
Knee
,
Abductor
pp.813-817
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/seJ.0000000072
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ヒアルロン酸関節内注射と膝関節伸展訓練を指導した変形性膝関節症(膝OA)患者「指導なし群」(25 例)と,さらに股関節内・外転訓練を追加指導した「指導あり群」(26 例)との間で日常生活動作の改善度を比較した。階段を下りるときの疼痛は,「指導なし群」で17例が治療前に疼痛を訴え,そのうち,4 例(23.5%)が治療後疼痛なしと答えた。一方,「指導あり群」では,治療前に疼痛を訴えた19 例中12 例(63.2%)が疼痛なしと答えた。この項目に関する統計学的検定では「指導あり群」の方が「指導なし群」より有意に高い改善率であった(p=0.023)。その理由として,股関節内・外転運動によって側方動揺性が減少したことが階段を下りるときの疼痛を軽減させた可能性がある。今回の股関節訓練では,階段下り時の痛みのみが改善したにすぎない。しかし,個々の筋肉トレーニングが膝OA のどのような症状に有効かを研究することによって,各症例に応じた運動療法を指導できると考える。
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