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特集 整形外科医が知っておくべき脳神経内科疾患
筋萎縮性側索硬化症
Amyotrophic lateral sclerosis
熱田 直樹
1
Naoki ATSUTA
1
1愛知医科大学医学部,内科学講座(神経内科)
キーワード:
ALS
,
Split hand
,
Split finger
Keyword:
ALS
,
Split hand
,
Split finger
pp.1485-1490
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003627
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要旨:筋萎縮性側索硬化症(ALS)は進行性に運動ニューロンが脱落し,全身の筋萎縮,筋力低下が進行して,発症から3~5年程度で呼吸不全などにより死亡するか,永続的な人工換気療法を要するようになる神経変性疾患である。ALS患者に対して,進行抑制薬投与や栄養や呼吸への介入を早めに行うべきとされており,診断の遅れは問題になりうる。症状の現れ方と進行の様式は非常に多様であるが,上肢の筋力低下から発症する割合が最も高い。発症の初期には症状は軽く,現局しており,最初に整形外科を受診することがまれではない。特定の髄節あるいは末梢神経支配領域に現局せずに筋萎縮,筋力低下が広がることがALSの特徴であり,頚椎症や尺骨神経麻痺などの整形外科疾患との違いに気づくポイントとなる。疑えば早めに脳神経内科専門医への紹介が必要である。

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