Japanese
English
特集 ALS(Motor neuron disease)
筋萎縮性側索硬化症—何が問題になっているか
Amyotrophic Lateral Sclerosis : Its Problem
萬年 徹
1
Toru Mannen
1
1三井記念病院
1Mitsui Memorial Hospital
キーワード:
ALS
,
excitatory amino acid
,
corticospinal connection
Keyword:
ALS
,
excitatory amino acid
,
corticospinal connection
pp.492-494
発行日 1992年6月1日
Published Date 1992/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900341
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はじめに
神経変性疾患の中では神経学の中で重要な位置を占める病気が数多く含まれる。多くは原因が不明で,経過は進行性であり,患者に長い間苦悩をもたらす。しかし,疾患に対する生化学的あるいは免疫学的アプローチがいくつかの変性疾患の成因とおぼしきものを明らかにしかけている。筋ジストロフィーにおけるジストロフィンの発見はそのよい例であろう。また,遺伝性変性疾患にあってはかなりの数の疾患で,疾病の発現に関与する遺伝子の座が取り沙汰されている。筋萎縮性側索硬化症(ALS)でも,家族性ALSの遺伝子座が第21番目の染色体上に存在するとの報告1)がある。しかし,これがsporadicなALSとどのように結びつくかは今後の大きな問題であろう。ALSは変性疾患の中にあって,原因に対するアプローチを拒み続けている代表的な疾患である。ALSの研究者達がいろいろな考え方を出し,何とか問題解決の緒口を得ようとしているが現在までのところ,いずれも充分とは言い難い。この小論ではALSの成因についての最近の説を2,3紹介したいと思う。
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