Japanese
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特集 手・手関節鏡手術の現状と未来
橈骨遠位端骨折における手関節鏡手術
Arthroscopic intervention of the surgical treatment for distal radius fractures
藤井 賢三
1
,
安部 幸雄
1
Kenzo FUJII
1
1済生会下関総合病院,整形外科
キーワード:
Wrist
,
Distal radius fracture
,
Wrist arthroscopy
Keyword:
Wrist
,
Distal radius fracture
,
Wrist arthroscopy
pp.9-14
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000306
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要旨:橈骨遠位端骨折の手術治療において,関節面の正確な整復と関節内軟部組織損傷の処置は本骨折の予後を左右する因子の一つである。これらを評価するには鏡視下手術の併用が必要不可欠であるが,未だ一般的とは言い難い。今回,鏡視併用を容易とするPART法の実際の手技と得られた知見についてまとめた。得られた知見は以下のとおりであった。1)透視下整復と鏡視下整復の乖離(22.3%),2)関節内遊離体の存在(8.6%),3)遠位スクリューの関節内突出を未然に防止できた,4)関節内軟部組織合併損傷の存在(舟状月状骨靱帯損傷31.5%,三角線維軟骨複合体外傷性断裂45.8%)。鏡視による目立った合併症はなく,鏡視下手術の併用は有意義であった。依然,橈骨遠位端骨折の手術治療に鏡視下手術の併用が必要か?という議論が存在する。今後はいかに容易に鏡視を導入するかの工夫とともに,上記利点を含めて,積極的導入の価値を検証していく必要があると考える。
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