Darrach法術後に発生した遠位骨片の尺側転位を伴う橈骨遠位端骨折の1例

Distal radius fracture with ulnar translation of the distal fragment following Darrach procedure；a case report

要旨：Darrach法による手関節形成術後に橈骨遠位端骨折を発症した症例を経験した。症例は59歳女性で，10年前にDarrach法による手関節形成術を受けていた。某日転倒し，遠位骨片の尺側転位を伴う橈骨遠位骨端部の骨折を受傷した。掌側ロッキングプレートによる骨接合術を施行したが，遠位尺側骨片にロッキングスクリューを挿入できず，術後尺屈変形の矯正損失をきたした。Darrach法施行後の遅発性合併症として橈骨遠位端骨折を生じた際には，より遠位部に骨折が発生して整復固定が難しい骨折型をとりうることを念頭に置き治療を行う必要がある。