非定型大腿骨骨折の診断と治療 -―何が問題か？ その解決策は何か？―

Diagnosis and treatment of atypical femoral fractures；what is the problem? and solution?

非定型大腿骨骨折（AFF）の診断と治療において，知っておかねばならないことがある。AFF発生の原因には骨吸収抑制薬など特異的薬剤の使用というbiological factorとともに，大腿骨弯曲や下肢アライメントといったmechanical factorも関与しており，これらが複合的に関与し発生するものもある。AFFは発生高位別に転子下型と骨幹部中央型に大別され，前者は骨吸収抑制薬など特異的薬剤の関与，後者は大腿骨弯曲の関与が大きいタイプである。近年ではperiprosthetic AFF（PAFF）という概念が報告されていること，がん患者では骨修飾薬が使用されるが，特に長期投与例ではAFF発生の高リスクであることを知っておかねばならない。AFFは難治性といわれるが，骨折治癒遅延に至った症例のなかには正しい手術がなされていない例も含まれていることを認識しなければならない。