特集 非定型大腿骨骨折の病態と治療
非定型大腿骨骨折の危険因子としての大腿骨弯曲変形の要因
土江 博幸
1
,
宮腰 尚久
1
,
島田 洋一
1
1秋田大学大学院医学系研究科,整形外科学講座
キーワード:
Atypical femoral fracture
,
Curved femur
,
Vitamin D
Keyword:
Atypical femoral fracture
,
Curved femur
,
Vitamin D
pp.965-972
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000079
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非定型大腿骨骨折(AFF)の要因として,ビスホスホネート製剤長期服用に関しては頻繁に言及されているが,実際はAFF 患者の中にも,ビスホスホネートなどの骨吸収抑制剤を内服していない患者は数多く存在しているため,ほかにも様々な要因が影響していると考えられている。近年,大腿骨の過度な弯曲変形や下肢アライメントなどとAFF の関連を示す報告がみられるようになってきており,広く認識されるようになってきた。さらに,大腿骨の弯曲を伴うAFF と思われた症例であったが,骨生検による骨形態計測を行うと骨軟化症の診断であった症例の報告もみられ,骨軟化症との関連も疑われるようになってきている。われわれは大腿骨の弯曲変形に関して,考えられる幾つかの要因を検討したところ,高齢と低ビタミンD血症のみが,大腿骨弯曲変形との有意な関係性を示す結果となった。これにより,ビタミンD欠乏による骨軟化症の関連が疑われることとなった。
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