Japanese
English
特集 骨折治療の現在地を知る!
Ⅴ.高齢者・脆弱性骨折
大腿骨近位部の骨転移による病的骨折に対する人工関節置換術のすすめ
Recommendations for arthroplasty for pathological fractures due to bone metastases in the proximal femur
籾井 健太
1
,
藤原 稔史
2
Kenta MOMII
1
,
Toshifumi FUJIWARA
2
1九州大学病院,救命救急センター
2同上,整形外科
キーワード:
Pathological fractures
,
Proximal femur
,
Arthroplasty
Keyword:
Pathological fractures
,
Proximal femur
,
Arthroplasty
pp.635-647
発行日 2024年4月30日
Published Date 2024/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002976
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
がん治療の進歩により骨転移はがん患者の終末像ではない時代となってきている。われわれ整形外科医は患者ごとにカスタマイズされた治療計画を立て,患者の移動機能を損なうことなく,がんの原発巣の治療に向けて支援していくことが重要である。関節近傍の骨転移において人工関節の優位性は腫瘍を切除することによる局所制御が可能になること,関節へと浸潤している場合の関節機能の再建が可能になること,荷重伝達における支持性の信頼度が高いため,積極的なリハビリテーションが可能になり,安静度を早期から改善させることが期待できることである。一方,広範な軟部組織侵襲に伴う感染や脱臼などのリスクがあり,決して万能な治療法というわけではない。病変部位や癌種だけではなく,患者の予後や全身状態を加味しながら手術方法を選択する必要がある。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.