特集 非定型大腿骨骨折の病態と治療
非定型大腿骨骨折に対する治療戦略 観血的治療
澤口 毅
1
,
重本 顕史
1
1富山市民病院,整形外科・関節再建外科
キーワード:
Atypical femoral fracture
,
ORIF
,
Intramedullarynail
Keyword:
Atypical femoral fracture
,
ORIF
,
Intramedullarynail
pp.1005-1011
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000084
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非定型大腿骨骨折に対し,当科で観血的治療を行った21 例25 肢を調査検討した。全例女性で平均77.1歳,骨折部位は骨幹部17 肢,転子下8 肢であった。完全骨折は18 肢,不全骨折は7 肢で,骨折部位は骨幹部17 肢,転子下8 例であった。21 例中13 例に大腿骨の強い弯曲を認め,ビスホスホネート製剤は13 例で使用されていた。手術は全例髄内釘固定を行い,大腿骨弯曲が強い5 肢に術前に髄内釘を大腿骨の弯曲に合わせて成形し使用した。骨癒合は遷延傾向にあったが,1 例を除いて全例で骨癒合が得られた。Implant failure は1 例もなかった。観血的治療の内固定材料としては髄内釘を選択すべきであり,大腿骨強弯の強い症例には術前に髄内釘を曲げて使用することが有用な方法である。また不全骨折に対しては,疼痛がある場合には予防的髄内釘固定を行うべきである。
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