特集 非定型大腿骨骨折の病態と治療
非定型大腿骨骨折のリスク因子多施設共同研究症例の解析を中心に
善家 雄吉
1
,
池田 聡
2
,
福田 文雄
3
,
田中 正宏
4
,
平野 文崇
5
,
酒井 昭典
1
1産業医科大学,整形外科
2健愛記念病院,整形外科
3北九州総合病院,整形外科
4マツダ病院,整形外科
5九州労災病院門司メディカルセンター
キーワード:
Atypical femoral fracture
,
Multicenter study
,
Risk factor
Keyword:
Atypical femoral fracture
,
Multicenter study
,
Risk factor
pp.959-964
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000078
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非定型大腿骨骨折(AFF)の成因については未だ不明な点が多いが,われわれが行った多施設共同研究症例の結果をもとにそのリスク因子について検討した。AFF27 症例37 骨折(両側10 例),男性1例,女性26 例,平均年齢74.2歳を対象とし,各種評価項目を検討した。その結果,BP 製剤使用例は21 例,投与期間は平均6.2 年,骨折部位は,転子下18,骨幹部19であり,完全骨折25,不全骨折12 であった。また大腿骨外弯あり17,なし20 であったが,外弯ありの17 骨折はすべて骨幹部に発生していた。骨癒合期間は平均8.6 カ月であり,完全骨折が平均11.3 カ月であったのに対し,不全骨折は平均3.7 カ月であった。全症例をBP 関連型:4 例,薬剤・合併症型:3 例,外弯型:2 例,混合型:18 例に分類した。本骨折の成因は単一のみでは説明し難く,相互作用による骨質の劣化や,機械的ストレスが絡んだ多因子関与である。
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