MRIにて筋肉内に高信号を認めた新鮮腰椎分離症の特徴

Characteristics of fresh lumbar spondylolysis with high intramuscular signal on magnetic resonance imaging

要旨：2021年11月から2022年12月までにMRIにて新鮮腰椎分離症と診断された45例58カ所を対象とし，後ろ向きに検討した。寺門のMRI所見による分類に従い，高信号域が骨内にとどまるType A，骨膜に達するType BをAB群（30例），高信号域が傍脊柱筋に達するType CをC群（15例）とし，両群の比較検討を行った。検討項目は疼痛発生から受診までの期間，VAS，前屈時痛の有無，病期とした。VASはAB群が52.0mm（39～73mm），C群が75.0mm（65～80mm）であり，C群はAB群と比較し有意に高値を示した（p＜0.01）。前屈時痛の有無はAB群は前屈時痛あり例33.3％，C群は前屈時痛あり例86.7％で，C群はAB群と比較し有意に前屈時痛あり例の割合が高かった（p＜0.05）。筋肉内に高信号を認めたものは，傍脊柱筋に炎症が及び，疼痛が強く，前屈時痛を有する例が多いと考えられた。