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は じ め に
新鮮腰椎分離症の治療の第一優先は骨癒合であり,装具療法1)と運動療法2~4)を組み合わせた保存療法が実施されている.2020年以降の新鮮腰椎分離症の骨癒合に関する報告では,骨癒合率80%以上4~6)という良好な成績が報告されている.一方で,骨癒合が達成されないと偽関節となり,偽関節部の滑膜性炎症や隣接する椎間関節に波及した炎症のため,腰痛が誘発される7).また,手術を受けた腰椎変性患者のうち,6.5%は終末期腰椎分離症を有していたとする報告8)もあることから,偽関節による将来の腰痛患者を生まないことも新鮮腰椎分離症の治療の意義と考えられる.
骨癒合を達成するためには持続的なリハビリテーション通院が重要であるが,臨床において治療中にもかかわらず,途中で通院を自己中断してしまう症例も経験する.通院自己中断は,医療者が介入しえないため,結果的に偽関節例に移行させてしまう可能性がある.新鮮腰椎分離症の治療では体幹硬性装具(以下,装具)の装着と運動休止が長期間にわたるため,通院自己中断にいたる例が一定数存在する.正確な医療を提供する取り組みの一つとして,治療プロトコル9)の立案があげられる.これは治療内容を明確にすることに加え,装具装着状況やストレッチング実施状況,禁忌肢位の指導といったコンプライアンス面の強化など10)もなされているため,患者・保護者に理解が得られやすいと考えている.患者・保護者の理解と疾患に対する受容が高まれば通院自己中断率も下げることができると考えている.
当院では2019年9月から新しいプロトコルを運用しているため,それ以前の期間で行われた新鮮腰椎分離症の治療との比較を行うことで,このプロトコルの有用性を明らかにすることができると考えた.本研究の目的は旧プロトコルと新プロトコルの通院自己中断例の比較を行い,その特徴を明らかにすることである.加えて,どの時期に通院を自己中断しているかを明らかにすることが今後の対策になると考えた.

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