今月の臨床 性差医療
骨粗鬆症と性差
太田 博明
1
1東京女子医科大学産婦人科学教室
pp.873-879
発行日 2006年6月10日
Published Date 2006/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100728
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はじめに
男性と女性の疾病構造には明らかな性差(sex difference)が存在することは,今や周知のこととなっている.しかし,すべての疾患や病態に性差があるかというと,必ずしもそうではない.逆に性差の明らかな疾患や病態として,骨粗鬆症,認知症,動脈硬化,高脂血症,高血圧,肥満など,最近注目されているメタボリックシンドロームが挙げられる.なかでも本稿で取り上げる骨粗鬆症は,乳腺や生殖器を除く,男女共通の臓器のなかで性差のある最たる疾患である.女性は更年期を迎え月経不順となると骨量が急激に減少し,それを契機に骨粗鬆症に罹患するとともに,骨粗鬆症に伴う骨折を生じることはよく知られた事実である.
そこで本稿では,骨代謝メカニズムを中心として,本症における性差について記載する.
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