Japanese
English
特集 Hip-Spine-Knee syndrome
変形性股関節症患者の腰下肢痛
Low back pain and leg pain in patient with hip osteoarthritis
森本 忠嗣
1
,
園畑 素樹
1
,
馬渡 正明
1
Tadatsugu MORIMOTO
1
1佐賀大学医学部,整形外科
キーワード:
Hip osteoarthritis
,
Hip-Spine syndrome
,
Low back pain
Keyword:
Hip osteoarthritis
,
Hip-Spine syndrome
,
Low back pain
pp.837-841
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000512
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要旨:変形性股関節症(HOA)と腰椎疾患は,中高年に好発し,腰下肢痛を主訴とし,しばしば併存するため両疾患の誤診例はまれではない。さらに,両疾患は相互に影響し合い,病態を複雑にし,疼痛源の同定をしばしば困難にさせる(Hip-Spine syndrome)。HOAの腰痛頻度は21~100%と少なくはなく,人工股関節置換術後の腰痛改善頻度は45~100%と報告され,HOAの腰痛に対する影響の大きさを示唆する。下肢痛の疼痛領域として,鼠径部が最多で87%であるが,殿部や大腿外側部も約60%に認める。また,下腿以下の放散痛頻度は7~47%と報告されている。すなわち,変形性股関節症患者では臨床所見から腰椎疾患を想起させることがある。腰下肢痛の診療において,変形性股関節症も鑑別疾患に挙げ,ルーチンの診察手順に下肢関節可動域の評価や疼痛部位の確認を組み込むことが誤診予防に重要である。
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