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特集 腰痛診療の深化―“標準” と “こだわり” を知り診療に生かす
仙腸関節障害と腰痛
Sacroiliac joint dysfunction as a cause of lower back and buttock pain
黒澤 大輔
1
,
村上 栄一
1
Daisuke KUROSAWA
1
1JCHO仙台病院整形外科/日本仙腸関節・腰痛センター
キーワード:
Sacroiliac joint
,
Dysfunction
,
Injection
Keyword:
Sacroiliac joint
,
Dysfunction
,
Injection
pp.911-921
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002639
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要旨:仙腸関節障害の診断ができると腰痛診療は楽になる。標準的な仙腸関節障害の診断法は,one fingerテストで上後腸骨棘(PSIS)を指す腰殿部痛があり,うつ伏せで仙腸関節部を圧迫すると疼痛が誘発され(SIJ shearテスト),仙腸関節後方靱帯ブロックで70%以上疼痛が軽快することである。一連の外来診療のなかでは,エコーを用いた仙腸関節後方靱帯ブロックが有用である。仙腸関節ブロックを1~2週間ごとに複数回行い疼痛強度を下げつつ,仙腸関節機能の改善を目指す。関節の不適合を徒手療法で改善し,関節を安定化させるため骨盤ベルトを装着する。続いて日常生活での負荷に耐えうる仙腸関節の剛性を得るため,腹部体幹筋トレーニングを行う。難治例では,仙腸関節腔内からの疼痛,仙腸関節周囲靱帯付着部症,腰椎疾患・股関節疾患との合併などがあり,仙腸関節腔内ブロックや個々の状態に合わせた理学療法,最終的に仙腸関節固定術を要することもある。
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