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特集 寛骨臼骨切り術の合併症低減と早期回復を目指して
寛骨臼回転骨切り術後の早期回復と合併症への対処
Strategy of rotational acetabular osteotomy for improving post-operative outcome
庄司 剛士
1
,
安永 裕司
2
,
山崎 琢磨
3
,
安達 伸生
4
Takeshi SHOJI
1
,
Yuji YASUNAGA
2
,
Takuma YAMASAKI
3
,
Nobuo ADACHI
4
1広島大学大学院,人工関節・生体材料学
2県立広島障害者リハビリテーションセンター,整形外科
3呉医療センター・中国がんセンター,整形外科
4広島大学大学院,整形外科
キーワード:
Rotational acetabular osteotomy
,
Developmental dysplasia of the hip
,
Hip osteoarthritis
Keyword:
Rotational acetabular osteotomy
,
Developmental dysplasia of the hip
,
Hip osteoarthritis
pp.1637-1645
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002379
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要旨:寛骨臼回転骨切り術(RAO)は,寛骨臼形成不全を有する変形性股関節症に対する関節温存手術の一つであり,本邦において広く行われている手術法である。1968年に田川により始められ,1984年にNinomiyaとTagawa2)の共著として術式と成績を報告して以後,多くの良好な短・長期成績が報告されている3)4)。当科ではこの術式を踏襲し,これまで様々な改良を加え,本手術を行ってきた。現在のわれわれのRAOにおける治療プロトコールは,術前に関節軟骨だけではなく骨微細構造を含めた画像評価を行い手術の適応を吟味し,3D動態シミュレーション,また3Dプリンターを用いた骨モデルを用いて術前計画を立てている。また,手術時には,可能な限り筋腱を温存し,骨切りにあわせ関節鏡を併用し,関節内処置が必要な症例には適宜関節内治療を行っている。今後より良い治療成績の獲得のため,手術適応の適正化,正確な術前計画と低侵襲性を考慮した手術,また関節症進行を予防する治療戦略の確立が重要である。
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